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ロータリー国際大会 活動報告

第117回ロータリー国際大会 in 台北 開催レポート

第117回ロータリー国際大会 in 台北 開催レポート

2026年6月、台湾・台北にて第117回ロータリー国際大会が開催されました。世界150カ国以上から3万7千人を超えるロータリアンが台北ドームに集結し、1994年以来となる台北開催として、平和と奉仕の精神を分かち合う歴史的な大会となりました。

原点回帰の感動的な開幕

2026年6月14日に開催された開会式では、台北士林ロータリークラブのチャーター会長でニュースキャスターのペギー・シンチェン氏がホストとして登壇。かつて文化大使奨学生としてロータリーの支援を受けた彼女が、世界中のロータリー家族を故郷・台北に迎えるという「フルサークル(原点回帰)」の場となり、会場に深い感動をもたらしました。

台北市の熱烈な歓迎

2014年から12年越しの誘致計画を主導してきたホスト組織委員長のジャクソン・シーン氏が、長年の夢の実現を喜びとともに語りました。万来中台北市長は台北を「多様性と革新が融合するホットポット」と表現し、AI都市としての未来像とともに市を挙げての歓迎ムードを演出しました。

アレーゼ会長の3つの優先事項

フランチェスコ・アレーゼ会長は、任期中の取り組みとして以下の成果と決意を報告しました。

  • 会員増強 ── 長年の減少傾向から微増へ転換
  • 平和 ── インド・プネーへの平和センター開設、国連80周年記念活動を通じた平和構築の推進
  • ポリオ根絶 ── パキスタンでの活動を例に、子どもたちの未来のために根絶を完遂する強い意志を表明

文化の融合が彩る大会

会場では、イタリアの司祭が創設した獅子舞団のパフォーマンスやシチリアのAKOジャズオーケストラの演奏が披露され、イタリアと台湾の文化が一体となる印象的な場面もありました。また、式典のハイライトとして世界各国の旗が掲げられる「旗のパレード」が行われ、最後にロータリー・インターナショナルの旗が揚がった瞬間、会場の熱気は最高潮に達しました。

ロータリーの変わらぬ価値観

司会のベティ・P・H・ジェニングス氏が改めて強調したとおり、ロータリーは「非政治的・非党派的・非宗教的」な120万人のチェンジメーカーの集まりです。多様性を受け入れ、互いに学び合う姿勢こそがロータリーの強さの源泉であることを、今大会もあらためて示しました。


次期会長メッセージ:奉仕がもたらす「持続可能なインパクト」

大会では、2026〜2027年度国際ロータリー会長に就任するオラインカ・ハキーム・ババロラ氏が、次年度に向けた力強いビジョンを発信しました。

奉仕は「活動」から「アイデンティティ」へ

ババロラ次期会長は、若い頃に参加した識字率向上プロジェクトで、ある女性が初めて自分の名前を読んだ瞬間に「機会を与えられた者」から「その機会を他者に広げる責任を持つ者」へと意識が変わった体験を語りました。親睦(fellowship)と奉仕(service)が重なり合い、それが「自分自身の一部」となること——これこそがロータリーがもたらす真の変革だと訴えました。

「持続可能なインパクト」への問い

次期会長が特に強調したのは、活動の評価軸の転換です。「何をしたか」だけでなく、「何が変わり、その変化がどれだけ続くか」を問い続ける姿勢が求められるとしました。コロンビアで展開されている「平和と繁栄への道」プログラムを例に挙げ、紛争解決トレーニングと経済的自立支援を組み合わせて平和をコミュニティの基盤から築く重要性を訴え、すべての活動に平和の視点を持ち込むことを次年度のスタンダードとして掲げました。

ポリオ撲滅への揺るぎない決意

アフガニスタンなど困難な地域においても、針を使わないジェット噴射器など革新的な技術でワクチン接種を継続するなど、ポリオ根絶への歩みを止めない姿勢を明確にしました。資金調達の厳しさにあっても使命を全うする覚悟を示しました。

2030年目標と会員増強への挑戦

「2030年までに125万人のロータリアン・12万5千人のロータラクター」という目標を掲げ、各クラブに対して過去5〜7年で最も成長した年の記録を塗り替える挑戦を呼びかけました。新しい仲間一人ひとりが持つ「まだ見ぬロータリー・ストーリー」を大切に、世代を超えてつながる「途切れることのない鎖」をさらに強く太くしていこう——そのメッセージで締めくくられました。


6月15日 分科会レポート:米山記念奨学事業が紡ぐ「愛と信頼」のネットワーク

大会2日目の6月15日には、米山記念奨学事業に関する分科会が開催され、奨学金事業の歴史から世界各地で活躍する米山学友の活動、そしてロータリアンとの絆について熱い議論が交わされました。

74年の歴史が育んだ独自の支援モデル

1952年に日本のロータリーによって創設された米山記念奨学事業は、平和国家として再出発した日本を世界に正しく理解してもらうことを目的に始まり、現在までに136の国と地域から2万5千人以上の留学生を支援してきました。単なる経済的支援にとどまらない「世話クラブ」と「カウンセラー制度」が最大の特徴で、奨学生を家族のように受け入れ、日本の文化やロータリーの奉仕の精神を伝えています。

世界に広がる米山学友の奉仕活動

奨学期間を終えた学友たちは世界各地で活躍しており、今回の分科会では印象的な活動事例が紹介されました。

  • 台湾米山学友会 ── 40年以上の歴史を持ち、「日本へのお返し」として台湾に留学する日本人学生への奨学金支援を実施
  • ベトナム南米山学友会 ── ホーチミン市を中心に高齢者・障害者施設での奉仕活動や孤児院支援を展開
  • モンゴル米山学友会 ── 図書館プロジェクトや歯科衛生プロジェクトを推進。現在25の図書室が設置され、5万人の生徒が利用するまでに成長

「米山学友による世界大会」が生む新たな連携

2017年から2年に一度開催されている「米山学友による世界大会」は、学友と世話クラブ・カウンセラーが再会し、新たな国際奉仕プロジェクトへと発展するきっかけともなっています。「米山」という共通言語が、国境や文化の壁を越えた生涯にわたる友情と信頼を可能にしているとの声が登壇者から相次ぎました。

今後の開催予定

  • 第4回 米山学友による世界大会 ── 台湾・嘉義市にて開催予定
  • 第5回 米山学友による世界大会 ── 2028年、日本・2610地区(大分)にて開催決定

分科会を通じて浮かび上がったのは、米山記念奨学事業が「支える側と支えられる側の一方通行ではなく、双方向の信頼関係によって世代を超えた永続的なつながりを生む」という姿でした。単なる奨学金制度を超えた「愛と信頼のネットワーク」として、ロータリーが目指す国際理解と平和の理想的なモデルがここにあると言えるでしょう。